この時計との出会いは確か昨年の夏前でした。 クレドール営業の方が試作品を紹介してくれたのですが、普段の私は宝飾品販売が中心であり、時計の試作品を滅多に見る機会がありませんでした。
しかし、ここからが運命の始まりです。クレドール営業の方がなにげなく「Ｃさん（私）好みのＮＯＤＥが発売になりますから、試作品を見て下さい」と。 一目見た瞬間、頭の中といいますか“心”に衝撃が走りました。
「オレンジ？」
実に私の感性にピッタリとはまり、その試作品の時計を暫く戻すことができませんでした。 その状況をよく観察していたのが当時の店長で、発売日に「Ｃ君のお気に入りの時計入荷したよ」と渡してくれました。高価な限定品の時計ですから、店長は仕入すべきか悩んだことでしょう。

その時計は自分で購入するつもりでした。しかしその前に、時計好きな友人といいますか上得意様に一度紹介しようと声をかけたのです。その友人も一目見て気に入った様子で一時間もその時計を眺めていましたが、やはりそれから二日後に来店されて購入されました。 その友人は毎年自分へのご褒美に『それなりの時計』を購入していました。ちょうど今年も“ご褒美”を探していたところ、その時計に巡りあったそうです。『ベルトの色』『針の色』『スプリングドライブ』『ブライトチタン』『２ ４ ７』と、ありとあらゆる所が希望に叶ったそうです。

しかし、かなり高価な“ご褒美”ですので、奥様を説得するのに苦労したようです。
「今まで買った時計を全部手放してでも欲しい・・・」その言葉は奥様が教えてくれました。 自分の物にならなくて少々残念でしたが、プロの販売員として一番大切なお客様に自分が一番気に入った時計を販売できたことに人生最高の喜びを感じました。この喜びは二度とないでしょう。